大切な人との別れにちょっとセンチメンタルな気分になったり、新たに出会ったクラスメートや同僚と恋が芽生えるかも……なんてドキドキしたり、春の女心はなにかと騒がしいものです。
仕事であれ恋であれ、次の一歩を踏み出すのには勇気が必要。そんな悩める女性たちの心の声が届いたのか、今月のオンナ編ランキングは、女の子の背中を押してくれるようなラインナップとなりました。
何かを全力でがんばる女の子って輝いてる! 各々の「青春」を送るヒロインたちのたくましい姿って、とても励まされます。
そして今月は、ひときわ読者の共感を呼んだヒロインを描いた作品がありました。
はやくも『このマンガがすごい!2016』オンナ編上位にランクインしそうな有力候補が登場した(!?)かもしれない今月のランキング、お見逃しなく!
(2015年3月1日~3月31日発売作品を集計)
第1位(212ポイント)
『かくかくしかじか』 東村アキコ
『かくかくしかじか』
東村アキコ 集英社
宮崎県で少女漫画家になることを夢見る主人公・林明子は、高校3年で、画家・日高健三が営む「日高絵画教室」の扉をたたく。
日高のスパルタ教育に反抗、距離を置き、漫画家として成長をとげた明子はある日、恩師が余命いくばくもないことを知らされる……。
全5巻、約3年という短い連載期間にもかかわらず、連載開始時から大きな反響を巻き起こした女性漫画家版『まんが道』。
「マンガ大賞2015」という栄冠に輝いた最終巻は、読む人に“悔いのない生き方とは?”、“生きることの意味とは?”という深い問いかけをしたのではないでしょうか?
「涙なくしては読めない」という絶賛の声が多数届いています。
オススメボイス!
■「マンガ大賞」受賞おめでとうございます! 久々に電車でマンガを読んで泣きました(八尾美映子/三省堂書店神保町本店コミック担当)
■ついに完結。モノローグで紡がれる著者の心情の吐露がどこまでも“先生”への愛にあふれていて、そりゃあおもしろいのも納得ってもんです(いづき/ブログ「オトコでも読める少女マンガ」管理人)
■すべての美大生&元美大生をえぐった本作も終了。笑いと感動をありがとうございます!(倉持佳代子/京都国際マンガミュージアム研究員)
■とうとう完結。先生と最後に会った時のエピソードが、その時はだれも最後だと思ってないため、特に劇的なこともなく忙しさのなかであわただしく別れたというのがリアル(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
■1巻の頃から常に「いつか泣かせる」オーラがあふれ出ていた作品だったけれども、最終巻は想像してたよりも静かで、ただただ誠実だった(KT./漫画と装丁のブログ「良いコミック」管理人)
■ついに完結。久々に新刊が待ち遠しく、「読みたい、でも読み進めるのがコワい」と思った一冊。恩師への想い、そして「描く」ことに対する思いがストレートに描かれていて、印象深かった。読み進めながら泣いた。。。もうとにかく「描く」ことに携わっている人だけでなく必見の書!(東雲騎人/イラストレーター)
■おそらく東村アキコの最高傑作になる作品も本巻で完結。先生の笑顔がまぶしすぎる表紙に涙(マクガイヤー/ブログ「冒険野郎マクガイヤー」管理人、ニコ生主)
■1巻の時点で予想できるラストながら、グッときてしまう手腕はさすが。いい幕切れでした(山田幸彦/ライター)
■完結した『かくかくしかじか』に万感の思い……。個人史の物語なのに、ここまで泣き笑いさせる東村アキコのうまさ!(渡辺水央/ライター)
■マンガ大賞受賞とともに堂々の完結。体育会的しごきがなくても、作者は漫画家になれるほどのセンスはあったと思う。でも、ここまできているのはやっぱり先生あってこそ。今も抱える後悔も含めて、運命の出会いってあるものだな(和智永 妙/ライターたまに編集)
「日刊マンガガイド」での第4巻ご紹介は、コチラ!!
著者・東村アキコさんへのスペシャルインタビューは、コチラ(前編)とコチラ(後編)!!
第2位(110ポイント)
『こいいじ』 志村貴子
『こいいじ』
志村貴子 講談社
下町の銭湯「すずめ湯」の少女・まめは、子どもの頃からずっと幼なじみの聡ちゃんに片想いを続けている。
何度も告白してはフラれ続け、まわりも次々に結婚していくなかで、かんじんの聡ちゃんも結婚して子供もいるというのに、まめはあきらめきれない。
恋にかけた“意地”を淡々とした画風で描き、健気な主人公・まめの姿を見て、思わず応援したくなった読者が続出です!
オススメボイス!
■羽海野チカ『ハチミツとクローバー』のあゆ、塩森恵子『ピュアメイプルパンケーキ』に連なる切ない設定。主人公・マメは好きな人に好きなことがバレているんです。日頃複雑なことばかり考えている自分には、このピュアネスはつらい恋すぎて、だからこそ萌えてる自分に気づかされる作品かな(今村方哉/レコード会社勤務)
■片想いの切なさのみならず、その一方にある滑稽さをも描く、一筋縄ではいかない少女マンガ。多作にしてすべてが傑作。志村貴子先生の新作はやはり大傑作の予感(小田真琴/女子マンガ研究家)
■アラサー女子が主人公ながら、こんなにも純度の高い恋模様が描けるのかと驚き。その一途すぎる片想いに、心響くものがありました(いづき/ブログ「オトコでも読める少女マンガ」管理人)
■主人公のおねえちゃん=ゆめの垂れ目のグラフィックがツボ。見とれます(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■三十路の女性の一途な想いに、胸が締めつけられる。その相手は、けっして振り向いてくれない。それでも好きという気持ちが止まらないことを、このマンガは教えてくれる(ふな/ブログ「はてなで語る」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第3位(70ポイント)
『高嶺と花』 師走ゆき
『高嶺と花』
師走ゆき 白泉社
姉が断わったお見合いの身代わりに出席した女子高生・野々村花は、相手の男・才原高嶺の横柄な態度にブチ切れる。
縁談は破談と思いきや、花はなぜか高嶺に気に入られ、連れまわされるようになってしまい……。
初対面の印象がお互いに悪かった2人が、反発を繰り返しながらもだんだん惹かれあう、という王道的展開のラブコメ。
イケメン御曹司と庶民派女子高生のデコボコカップル誕生に期待が高まりました。
オススメボイス!
■御曹司と庶民女子高生の身分差ラブコメ。もちろん胸キュンする展開はありますが、2人のテンポのいい会話劇に笑えます! 少女コミックスですが男性にもおすすめ! 悪意に満ちた花のセリフが好きです(笑)(麻野昌三/わんだ~らんど なんば店)
■お見合いラブコメディ。実写ドラマ化してもおもしろそう。(浜波孝至/BOOKSなかだ魚津店営業担当)
■イケメン御曹司だけどいろいろ残念な高嶺さんと、一般庶民だけどまっすぐに相手を見ることができる花ちゃんとの、お見合いラブコメディ。テンポよく繰り出される2人の会話が楽しくって「もっと読みたい!」となった1巻でした。(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)